日本の代表花「梅と桜」について
梅の花の季節が過ぎると桜の季節になります。
梅と桜は日本の早春を象徴する花と言えるでしょう。
今回は日本を代表する2つの花が登場する歌をご紹介いたします。
明治時代に流行した「梅は咲いたか」は、江戸端唄(はうた)といって、明治時代に流行した俗謡「しょんがえ節」を基にした小唄です。
以前、桃屋さんのCMでも使われていましたので聞き覚えのある方も多いかと思いますが「梅は咲いたか 桜はまだかいな」ではじまる歌です。
「端唄」というのは、江戸末期の天保年間頃から流行した小曲で、長唄のように長くなく気楽に楽しめるような短い曲で楽しもうと生まれました。
江戸で流行った江戸端唄、上方(かみがた)で流行った上方端唄があります。
「しょんがえ節」は「しょうがないなあ」と思えるようなものを歌詞にした歌謡で、歌詞の最後に「しょんがえ」という囃子詞(はやしことば)を付ける特徴があります。
「梅は咲いたか」は、花柳界の芸妓たちを、季節の花々や貝に例えた唄です。
梅は、修行中の幼女である禿(かむろ)から、お新造さんといって、お座敷に出るようになった若い娘で、桜はその上の姐さんで、山吹は実を結ばない浮気性といった感じです。
江戸末期から明治にかけて三味線の演奏とともに唄われ、お座敷唄として広く知られるようになりました。
「梅は咲いたか」歌詞
1番
梅は咲いたか
桜はまだかいな
柳ャなよなよ風次第
山吹や浮気で
色ばっかり しょんがいな
2番
浅蜊(あさり)とれたか
蛤(はまぐり)ャまだかいな
鮑(あわび)くよくよ片想い
さざえは悋気(りんき)で
角(つの)ばっかり しょんがいな
3番
柳橋から小船を急がせ
舟はゆらゆら波しだい
舟から上がって土手八丁
吉原へご案内
花柳界のお座敷唄なのでその歌詞の意味あいは
なかなか色っぽいところがあります。
梅は咲いたか
桜はまだかいな
柳ャなよなよ風次第
山吹や浮気で
色ばっかり しょんがいな
その内容は
若い梅はまだか、年上の桜はまだかな
柳姐さんはふらふらと移り気で
山吹姐さんは浮気性で実を結ばない
しょうがないなあ
と言ったころでしょうか。
浅蜊(あさり)とれたか
蛤(はまぐり)ャまだかいな
鮑(あわび)くよくよ片想い
さざえは悋気(りんき)で
角(つの)ばっかり しょんがいな
はこんな感じです。
浅蜊は相手ができたか 蛤はまだひとりか
鮑はくよくよ片思い
さざえは嫉妬でおかんむり
しょうがないなあ
ここでは女性を貝で例えています。
昔のお金持ちは芸妓をひきつれ盛大なお花見をしたそうですが、
当然この唄も演じられたのでしょう。
実際に聴いてみたい方はこちらをどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=FM0tlI-kR0s
https://www.youtube.com/watch?v=p-l-SQ_Ku3k
https://www.youtube.com/watch?v=H-lbnEyEilE
日本を代表する花「梅と桜」についてでした。